悪魔の彼
−少し前王宮の一室で−
そこでは一人の天使が物思いにふけっていた。
ボーン ボーン
セットしていた時計が柱時計のような音を出して鳴る。
「時間……か。」
そのセットしていた時間は一人の弟の時効だった。
彼は大罪を犯した。
しかし、その大罪に隠れた罪に、皆気付いていない。
それは
泉の辺での出来事だった。
小さな美しい泉での出来事……
恐ろしい出来事を、怒りのせいで王までが忘れている。
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