悪魔の彼
そういえば……
あいつ、母さんのことを口にするなといわれた時も眉一つ動かさなかった。
それからあいつが母さんのことを口にするたびに、約束をうっかり忘れたものだと思い
毎回黙らせてきた。
なっとくしたんだと思ってたが違ったようだ。
あいつも悩んでいたんだ……
弟の心のなかの変化に
僕は
僕は気付いてやれなかったんだ……
ラギールは考えた後イアがここにいたのをがばれないように、外に運ぶことにした。
「よいっ、しょ」
木々のなかをイアを背負って運ぶのは重労働だったが、やっと入口までついた。
しかしそこには…………
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