悪魔の彼
ベッドの木のニオイまで分かるようになってしまい、布団の繊維のひとつひとつを感じることが出来る。
怖くなって立ち上がろうとしたとき………
バリ!
きつくにぎりしめていたベッドの縁が、ばらばらと崩れ落ちた。
「い……やあ……」
急いでリナを起こそうと走る。
すると、軽く走ったつもりが凄いスピードが出てしまっていた。
急いで止まり、リナの肩を持つ。
「キャー!」
叫んで飛び起きたリナは、肩を押さえてうずくまる。
「リナ?」
そっと見ると、私の手形のかたちに真っ赤な痣が出来ていた。
「あ……ああ」
リナの悲鳴に気づいてか、セシルが起きた。
隣の部屋からもティープの『なんだ!?』という声が聞こえてくる。
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