悪魔の彼
軽く押さえた程度だったはずが大変なことになっていた。
「リナ女王、シルヴィア様、どうなさったんですか?………ひっ」
セシルもリナの痣に気がついたようで、後ずさる。
どんどん!
『どうしたのですか?!開けてください!』
カリウス王の声が聞こえるが、防音室のため、わたしにしか聞こえない。
「一体……シルヴィア様、大丈夫ですか?」
セシルが真っ青な顔で手を差し出してきた。
「ありが……あ!」
気づいたときにはもう遅い。
セシルは手を抱えてしゃがみ込んでいた。
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