悪魔の彼
はっきり言って、私はあまりしたくない。
職人が丹精込めて作り上げ、命を吹き入れたもの一つ一つを私が壊すなんて……
まあ、そうならないことを願うしかないだろう。
そうなってしまっても、前も言ったように、戦いは情けも容赦もない世界なのだ。仕方がない。
「ラギールさん、イアを私は救い出せるでしょうか?」
誰かに話し掛けないと不安だった。
それにあまり話したことのない彼と親睦を深めることの出来る最後の夜になるかも知れないのだ。
本心は前者だが、違う気持ちも半分はあった。
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