悪魔の彼






















今私達は、馬車の中で検問にかかっていた。



あれからすぐに羽をしまい、仕事をする約束を半ば強引にしてから戻ってきたのだ。


リナは馬車に入るなり爆笑。




息を切らしながら今も笑っている。



「ふ、ははははっ!」



ほら。

また思い出し笑い。



どうやらつぼに入ってしまったようだ。





検問官は苦い顔をしながら私に聞いた。



「あんたは一体何者なんだよ……あんな羽始めてみたぜ。」



「私?わたしは……」







ガタン







馬車が動き出した。



私はゆっくり窓を閉めながら言った。




「魔界王室第一王女シルヴィアよ♪」









ガタガタと走りさる馬車





後方からは







『ええーーー!?!?!?』







という叫び声が聞こえてきていた。









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