悪魔の彼





リナはそれから、あの叫び声までつぼにはまってしまったらしくまた爆笑していた。



しかし、ラギールは違った。





「シルヴィア、正体をばらしてよかったのか?」




「ええ。」



私には考えがあるのだ。




「しかし……王に知られてしまうぞ?いいのか?」




そこだ。




「いいの。それを狙ってたんですから。王の耳に私がこの世界にいることが知れれば、イアにどうしているか問い詰めるかもしれないじゃない。」




「ああ。しかし、何故わざとそうする?」






私はこう考えていた。


もし、私がいることが王の耳に入れば、王はイアを問い詰めるだろう。


そうすれば、イアに執行されようとしている刑は先延ばしになるだろう。




その間に訪問することができれば、きっと王はイアを解放してくれるはず……







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