悪魔の彼
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暑い夏のことだった
日差しがじりじりと肌を焼くように照り、体からは玉のように汗を誰もが流す日。
私は天上から地を見下ろすように浮かんでいた。
少しの混乱状態に陥っているが、かろうじてここは記憶の中なのだとわかった。
下には二人で歩く母とまだ幼い子がいた。
しかし、二人は、およそ親子らしくなく横に並びながらも手も繋がず、黙って前を見据えて真っすぐと歩いていた。
不思議と暑いはずなのに汗をかかず、私もまたかいていない。
ただ黙って歩く親子の事が気になり、私は後を追った。
そんなときだった
ダダダダダッ
地響きとともにやって来たのは盗賊だったのだ
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