悪魔の彼
私は上空からそれを驚きの表情で見つめていた。
私は……人を殺していたのだ。
確かにこの世界では盗賊等の者を殺しても殺人罪には問われない。
というか、貴族以外はなかったことにされることが多い。
しかし、私は自分のしたことに驚いた。
それにあんな技術と力を隠し持つ自分が我ながら怖くなった。
下ではまだ続いていた。
唖然としていた盗賊達が今更ながら、頭を奪われた事に激怒し始めのだ。
「てめぇら……よくもお頭を!絶対に許さないっ」
そして盗賊達が身構えたその時だった。
『何をしているっ!』
彼等の遥か後方から鋭い叱声が飛んできた。
此処は砂漠までいかないものの、草木があまり生えていない平地。
遠くにいても微かにその影は見えていた。
.