悪魔の彼
馬が三頭とその上に騎乗する人が三人。
真ん中の馬は特に大きく立派で、骨格も丈夫そうに見える。
『しばしそこで待てっ!』
またもや鋭い叱声がとび三つの影がこちらへと向かってきた。
私は幼い頃の自分がした殺人にまだ驚いていた。
母は『また』と言っていたということは、前にもおこしたことがあるのだろう。
私がそんなことを考えている間にも、影は近づいてくる。
盗賊達は二人に向けていた体を影に向け戦う体制に入っていた。
だんだんとはっきりとしてくる三つの影。
やはり中央にいる人が位が高いらしく、装備も立派だ。
ザザッ
砂埃とともにやって来たのは……
魔界王本人だった。
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