悪魔の彼
ん?
記憶?
………
「王室でお倒れに「イアは!!!」」
私はまた叫んでしまった。
でも、そうせずにはいられなかったのだ。
イアのせいじゃない
その言葉が私を渦巻いた。
イアはやってないんだ
「イア様は……」
何故かアルは下を向いて眉を寄せた。
「イアは?」
「今、処刑台につくころです……」
頭が真っ白になった。
そして今度は、激しい感情が溢れてきた。
私は何をやっていたんだろう?
こんなところで一人記憶の世界に振り回されて
私が倒れたことでイアの処刑が始まるのが速くなってしまったことは言うまでもない。
なんで倒れたんだよ!?
「処刑台はどこあるの?」
私は自分への激しい怒りを抱えながらアルに聞いた。
思ったより口調は冷静だったが、心の中はぐちゃぐちゃでどうしたらいいのか分からなくなっていた。
しかし、一つだけ確かな事があった。
それは
イアの元へ今すぐむかわなければいけないということだ……
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