悪魔の彼






とにかく、会えた



間に合わなかったけど、また会うことが出来た。







「イア、思い出したよ。全部。小さい頃からの大切な思い出……」





「もしかして……」




「そう。知ってるよ、イアは思い止まったこも含めて」





案の定、私とおじさんの会話を聞いていなかったイアは驚きの表情を浮かべながら、ゆっくりと顔を上げた。





そして手を伸ばして私の頬へ触ろうとしたが、ピアスに気づき、そっとまた下ろそうとした。






「イア、私は戦闘サイボーグ。忘れたの?」




そうだ



今はイアと同じ存在



私は細く微笑み、おどけたように言ってみた。












ドンッ












大きな衝撃とともに、彼は私を抱きしめた。










「シルヴィア…ごめんな、嘘ついて。セバスチャンがシルヴィアのおじいちゃんとして人間界で生きてるの知ってたから……本当にごめんな……」













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