悪魔の彼


その人はただ静かに私を見つめていた。




「懐かしい気配がすると思ったら……あなただったのね。」



そして言った



「お母さんは元気?彼女はもうあなたに話したの?」



「何の事ですか?」


会ったことのない人だった。



まだ来たばかりだし、分からないのも当然かもしれない。





人違いだろう。



「人違いじゃないでしょうか?」



彼女は不思議な顔をしたが、はっと気付いた表情になり、口を閉ざした。






「?あのぉ〜、どうかなさいましたか?」





私がそう尋ねると





走り去ってしまった……















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