relations
帰り道、なぜか涙が止まらなくて、気づいたら学校に居た。もう夜の8時だ。生徒はいないと思う。だからここで泣くのが一番だ。
校舎裏、私がいつもいる場所。誰も来ないし、影で涼しいし、一人でいられる場所。
今日は、先生たちは早めに帰る日だ。なにか行事があるらしい。
私は声をあげずに、涙を流した。
「…誰?」
声に驚く。まさか、ここに人がいるとはおもわなかった。
「…あなたこそ、誰?」
「…え、躑躅森さん?…泣いてるの?」
「…っ…な、泣いてない…あっち行ってっ!」
「僕が最初に居たんだけど…どうしたの?」
「…なんでもない、あなた誰?」
「僕は、礼堂日向です。躑躅森さんと同じクラスだよ」
そんな名前の人いたな、と思い返す。うちのクラス…というか、地域的に「ら行」の名字が多いんだよね。
改めて、考えると…なにこれな展開。夜の校舎で、なんで男子と二人きり…顔見えないし…それにしても礼堂さんは、よく私が判別できたな、と思う。この状況で、冷静に判断できるのは凄い。