relations

「普通に呼べばよかったんじゃないですかっ!」

場所を、レストランに移した私たちは、両親たちが高校の同級生だと知った。

「そうよ…私たちを巻き込む必要ないじゃないっ!」

私たちはさっきからずっと、怒りをぶつけまくっている。にもかかわらず、両親たちはにこやかに会話してる。

「いや、ね。時代を超えて二人は親友なんだなぁ」

とか、お父さんは意味の分からないこと言うし。

「まさか、赤羽根さんが里沙のことだったなんて…あの時何で転校しちゃったの?」

「事情があったんです。おいおい話します」

私たちが文句を言っても、まったく相手にしてもらえなかった。

「本当に偶然ですよね。僕、この学校でカウンセラーやってるんですよ。それで、顔見てびっくりしましたよ…そっくりなんですから」

「まぁ、僕に似なかったからな…それに名字は僕は嫁いだから、『谷中』じゃないしね」

えっ、父さんの名字って「片瀬」じゃなかったの?
ますます、わからなくなる。私…片瀬衣織は、全然会話についていけなかった。

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