relations
「…と、とにかくおろしてっ!」
「はいはい」
うん。やっぱりこれくらいの距離が一番楽しいんだ。
あんまり深入りしない。恋仲にはならない。それが一番なんだ。
まさしくこれが「友達以上、恋人未満」ということなのかもしれない。
このくらいが楽しい。この日々を、やっぱり私は壊したくない。
だから、私は始まりの言葉を口にする。
「京一、明日から、また…一緒に登校しよう…お願いだから」
京一の制服を軽く引っ張った。明るく言い切ろうと思っていたけど、顔をそむけてしまった。声が震えているのが、自分でも分かった。顔が熱い。恐る恐る、視線を上げる。
「…ああ、明日から、また一緒にこような」
「うん…ありがとう」
私は、自然に笑顔になっていた。