relations
10歳まで外を知らなかった少年は、何を思ったの?
想像がつかない世界。外という世界を知った時の、少年の驚きはどんな感じ?私では計り知れないなぁ…
俯いて沈黙を貫く私に、蒼太君はこう言ってきた。
「涼風さんは…小説書いてるんでしょ?」
「…!」
突然そんなことを聞かれて、困惑する。うまく口から言葉が出ない。
「い、いや…うぅっ……その、母がへ、編集者でして…う、そ、その…影響で…なんとなくですけど……うゎっ…書いてます…」
恥ずかしさでさらに視線が下にむく。
「よかったら、読ませてくれない?」
「え、えぇっ?…うぅ、恥ずかしすぎますぅ…無理です」
完全に心が折れかけている。あんなもの、人に見せられたもんじゃない。