relations
「…ダメかな?」
「うぅ…」
私は、お母さんに憧れていた。なにもかも完璧なお母さん。
いつか、あのお母さんを見返してやりたくて、私は小説を書き始めた。
けど…評価してくれる人間もいなくて、編集部にも送れないし…
自信がない。私が最も自分にないと思っている点。ひんそーで、ちんちくりんで何事にも自信がない、
でも…今、私は作品を見てくれると言ってくれている人が目の前に居る。
正直、諦めていた。でも今あらわれたチャンス。これでもうこんな機会は訪れ無いかもしれない。
「…はい」
気づいたら、そう口が動いていた。
「…ありがとう。…今日持ってきてるだろう?」
「は…い、いいいえっ。もっ、持ってきてばせんっ」
噛みまくっていた。無理もない、今書いてるのは…
「あれ?さっき見せてくれるって言わなかったっけ?」
蒼太君を見るとにやにやしている。うぅ…確かにそうは言ったけど…
「い、今は無理ですっ!」
勢いよく扉を閉め、旧図書室を走り去った。