大切なもの

「実紗、ごめん。HR長引いちゃって!」


「いいよ、私も今来たとこだし」


麻夕は私の隣に腰を下ろした。


立ってた私も腰を下ろす。


「…話って言うのはね…転校するんだぁ、あたし」


「…え?転校…?」


「うん、お父さんの仕事の都合でね。…今日が、この学校生活最後。その前に実紗には言っておきたくて」


急に告げられる親友からの告白に、私はただ驚くことしかできなかった。



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