大切なもの

「遠いところ?」


「…」


麻夕は黙って首を縦に動かす。


私は視線を下にやった。


「今日、午前で学校終わる。…明日から、実紗には会えない」


涙声…?


顔を麻夕に向けると…


麻夕は泣いていた。


「実紗と、離れたくない…」



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