大切なもの



やってきた青い電車に乗って、座る場所を確保する。



そこでさっき買ったパンを2人で食べた。



「トモ、渡したい物があるの」



「ん?」



カレーパンの中にたっぷりと詰め込まれたカレーが、口の中におさまらなかったのか




口の隅にカレーをつけながらあたしの方を見る。




その姿がいつものしっかり者とはほど遠くて、すこしおかしい。



思わず笑みがこぼれた。


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