大切なもの


少し伏し目がちの切れ長い目。



肘下までめくりあげた袖から、見える細くも力強そうな腕。



ほんの少しだけ口角をあげた口元。



電車が揺れるたびに、フワフワと動く焦げ茶の髪。



すべてが、カッコ良くて、輝いていて、愛しくて…。



あたしの胸は高鳴るばかりだった。


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