大切なもの


HRを終えて私は屋上へつながる階段にいた。


少し重く、サビついたドアを開けるとそこは青空。


近所の子供がたくさんいる公園や住宅街がまるで、


プラモデルみたいで。


風も吹いていて蒸し暑い今にはぴったりだった。


風に揺れる髪を耳にかけながら、私は麻夕を探した。


首を左右に振る。


まだ、来てないみたいだ。
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