黄昏に暮れる君へ
幻想郷へ
――伝説の語り継がれる禁忌の森に、一人の青年が迷い込む…――。
深い深い森の奥。
街に背を向けて歩き続けること数時間。
「なんと…、美しい…!」
眼前に広がる光景に、思わず言葉を失った。
見たことのない愛らしい花たち。
鬱蒼と茂る緑。
侵しがたいほどに美しく輝く湖。
人が踏み込むことの許されない、儚げな幻想郷…――!
「うん…、ここならいい絵が描けそうだ」
スケッチブックとパレットを広げて、絵筆を取った。