黄昏に暮れる君へ
ドラノワ公国
狂気。
そう、それはさしずめ、狂気と呼ばれるものだった。
真っ赤な薔薇園は、狂気の証。
暁に溶けゆく真っ赤な闇は、狂気に溺れてしまった哀れな一人の男の心。
胸に真紅の薔薇を秘め、純粋すぎた愚かな女が産み落とした、穢れを知らない幻想郷。
二つは融け合い、より確かなカタチで、穢れある人々の前に姿を現した。
その名を、ローゼ=レオンという…――。