極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
そのままデスクに急ぎ椅子に腰掛けると、未歩ちゃんが隣の席から身体を寄せた。
「拓海先輩、何のようだったんですかぁ~?」
朝一で話したときはホッとした喋り方も、今は癪に障る。
「何でもない」
未歩ちゃんは何も悪くないのに、こんなつっけんどんな返ししかできない自分が情けない。
そうわかっているのに謝ることもできなくて仕事を始めたけれど、やっぱり集中できなくて気持ちを入れ替えるため外に出た。
ここは営業所だからか自分の仕事さえちゃんとこなせれば、こうやって席を外しても誰に咎められることはない。
でも今日は、一昨日のミスと昨日休んだせいで、仕事が山積み。誰にも咎められないからと言って、のんびりしている時間はないんだけれど……。
どうしても、ひとりになりたかった。
拓海くんとのことを思い出しながら、自転車置き場まで来てしまう。そこにはパンクしている私の自転車が一台、寂しそうに置いてある。
「今日、修理に持って行かないとね」
自転車の横にしゃがみ込み、パンクしているタイヤを突いた。
高三から乗っている自転車。ところどころ錆びていて、色も剥げちゃってきていた。そろそろ買い替えどきかもしれないなぁ。
そんなことを考えながらペダルをクルクル回していると、いきなり背後から声がした。
「おいっ、何サボってんだよ」
その声に驚き、身体が大きく跳ねる。慌てて後ろを振り向くと、龍之介が腕を組んで立っていた。
「拓海先輩、何のようだったんですかぁ~?」
朝一で話したときはホッとした喋り方も、今は癪に障る。
「何でもない」
未歩ちゃんは何も悪くないのに、こんなつっけんどんな返ししかできない自分が情けない。
そうわかっているのに謝ることもできなくて仕事を始めたけれど、やっぱり集中できなくて気持ちを入れ替えるため外に出た。
ここは営業所だからか自分の仕事さえちゃんとこなせれば、こうやって席を外しても誰に咎められることはない。
でも今日は、一昨日のミスと昨日休んだせいで、仕事が山積み。誰にも咎められないからと言って、のんびりしている時間はないんだけれど……。
どうしても、ひとりになりたかった。
拓海くんとのことを思い出しながら、自転車置き場まで来てしまう。そこにはパンクしている私の自転車が一台、寂しそうに置いてある。
「今日、修理に持って行かないとね」
自転車の横にしゃがみ込み、パンクしているタイヤを突いた。
高三から乗っている自転車。ところどころ錆びていて、色も剥げちゃってきていた。そろそろ買い替えどきかもしれないなぁ。
そんなことを考えながらペダルをクルクル回していると、いきなり背後から声がした。
「おいっ、何サボってんだよ」
その声に驚き、身体が大きく跳ねる。慌てて後ろを振り向くと、龍之介が腕を組んで立っていた。