極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
しかし足を一歩踏み出した所で右腕を取られ、龍之介に後ろから抱きすくめられてしまった。
「堤所長、止めて下さい!! 誰かに見られでもしたら、どうするんですか?」
「俺は別に構わない」
「そんな勝手な……」
「だったら西野とのこと俺に話せよ。そしたら離してやる」
「そんなの横暴ですっ!!」
「俺が勝手で横暴なの、菜都は知ってるだろ?」
その言葉に顔を上げ睨みつけるように龍之介を見ると、彼は口角を上げて嫌味たっぷりな顔でニヤリと微笑んだ。
「最低……」
「最低でも何でもいい。話すの? 話さないの?」
最後通告のように口調を強める龍之介。
さすがにいつまでもこの状態はマズい。かと言って、さっき拓海くんから言われたことを龍之介に話すのはちょっと……。
すぐに返事をしない私の身体を、龍之介は返事を急かすようにギュッと抱きしめた。
こんな時なのに私の身体は正直で、その強さに身体が熱くなっていく。
このままじゃ本当にマズいっ!!
身体が崩れ落ちそうになる手前で頷くと、小さく言葉を吐いた。
「わ、わかりましたから、離して下さい」
身体のキツい戒めを解かれると身体の力が抜け、よろよろと倒れそうになる。それを龍之介が支えてくれた。
「最初から素直に話せばいいのに」
ううっ、かなりムカツク。
あまりのも勝手な言い草に暴言を吐きそうになって、必死に押しとどめる。