極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~

「ごめん、驚かして。でも菜都さん、大丈夫? 頭でも痛い?」


頭でも痛い? あっそうか。私が目を瞑って頭振ってるのを見て、勘違いしちゃったみたい。


「大丈夫。心配しないで。ところで、今はどこに向かってるの?」

「うん? スーパー。菜都さんに、晩飯作ってもらおうと思って」

「私に晩飯っ!?」

「そう。俺んちで」


えっ? 拓海くんの家で? 


それはマズくないだろうか……。


今朝も不意打ちで、頬にキスされちゃったし。


流れで、危ない雰囲気になっちゃったりしない?


その時私は、ちゃんと拓海くんを拒める?


私の心配も、今の拓海くんには届かなくて……。


「晩御飯作るの、私の家じゃダメ?」

「うん、ダメ」


あはっ、そうなのね。あくまでも、拓海くんの家でなのね。


助手席でガックリ肩を落とすと、拓海くんが可笑しそうに笑った。


「菜都さん、何か心配してる? 大丈夫だよ。俺、菜都さんの気持ちも考えず襲わないから」


「お、襲わないって……」


私が考えてること、勝手に読まないで欲しい。


恥ずかしいじゃない……。





< 144 / 278 >

この作品をシェア

pagetop