極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
「何、襲ってもいいの?」
真面目な顔してバカなこと言って……。
その顔をキッと睨みつけると、罰が悪そうに笑う拓海くん。
な、なんか、いつにも増して可愛いじゃない。
でもダメなんだからね、そんな顔したって……。
フンッとそっぽを向き外を見ると、車はこの辺りで一番大きいスーパーの駐車場に入っていった。
「菜都さん、俺パスタが食べたいんだけど、作ってくれる?」
「パスタならOK、作れるよ。じゃあ今晩は、パスタとサラダにしようか」
私の言葉にタクミくんの顔が、花が咲いたような笑顔になる。
全く……。拓海くんには敵わない。そんな素直に自分の気持を表現されたら、こっちのほうが戸惑ってしまう。
“俺、菜都さんが好きだ”
忘れていたその言葉が、また私の心に舞い戻ってきてしまった。
拓海くんからのリクエストで、今晩はカルボナーラを作ることになった。
冷蔵庫には玉子だけあることを拓海くんから確認すると、スパゲティにブロックベーコン、生クリームにパルメザンチーズ。それにサラダの材料をカゴに入れ、レジに並んだ。
「俺達、新婚さんとかに見えるのかな?」
拓海くんが耳元で呟く。
「見えない。いいとこ、姉弟ってとこでしょ」
そう言い返すと、拓海くんはつまらなさそうに唇を尖らせる。
彼を弄って遊ぶのは楽しいが、今は心から楽しめてない。