極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
今頃龍之介のマンションには、その女性が来ていて……。
胸がズキンと痛んで、苦しくなってきた。
なんで胸が苦しくなるの?
自分で勝手に想像して、ホントかどうかわからないことにショックを受けている自分に驚きだ。
何かある度に龍之介のことを思い出してしまう自分が嫌で、頭を振って龍之介の存在を追い出す。そしてもう一度、拓海くんの部屋を見渡した。
「ねえ拓海くん。手伝うから部屋の片付けしない?」
ニコッと笑う、拓海くん。
「いいの? ホントは菜都さんが、そう言ってくれるのを期待してたんだ」
やっぱり、最初からそのつもりだったわけだ。
でもそう言う拓海くんの笑顔がやっぱり可愛くて、ついつい私も甘くなってしまう。
「じゃあ拓海くんは、脱ぎ散らかしてある服を、全部洗濯機の中に入れてきて。私は雑誌やゴミを片付けるから」
「了解!」
威勢よくそう言うと、拓海くんはテキパキと動き出した。
いつも外回りや配送をしてるだけあって、フットワークはいい。
その姿を見て微笑むと、私もゴミ袋を手に掃除を始めた。