極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
「菜都さんっ、ホントにありがとう。自分の部屋がこんなに広かったなんて、驚きだよ」
私も同感だ。
「これからは、ちゃんと掃除するんだよ」
「えぇ~、また菜都さん来てよ」
「何いってんだか。甘えたこと言ってないで、大人なんだから自分でしなよ」
ハイハイなんて頷くものの、その目はもうテーブルの上に注がれていた。
「菜都さん、もうお腹ペコペコだよ。食べてもいい?」
目の前のテーブルには、拓海くんからのリクエストだった“カルボナーラ”と“イタリアンサラダ”が並んでいる。
今の彼は正しく、お預けを食らってよだれを垂らしている子犬のようだ。
その姿が面白くて、ついつい話を長引かせてしまった。
「しょうがないなぁ。じゃあ、食べようかっ」
「よっしゃっ!! いただきま~すっ!!」
まるで子供のようにはしゃいでそう言うと、勢い良く食べ始める。
私はそんなに料理が得意の方じゃないけれど、やっぱり喜んで食べてくれる人がいると作り甲斐があるよね。
「菜都さん、これ旨いよっ!!」
「良かった。褒めてくれて、ありがとね」
拓海くんの言葉にホッとすると、私も一緒に食べ始めた。