極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
でも私は、恋愛ドラマみたいな恋をすることを諦めることはなかった。
現に今も諦めていない。いつかは私にだって……と思っている。
でもそれじゃ、ダメなのかもしれない。
「言えないよ。だって菜都さん、ドラマみたいな恋がしたいんでしょ? 俺にはドラマみたいな恋なんてわからないし、目をキラキラさせてその話をする菜都さん見てたら、俺なんかじゃ無理だなって」
「私の目、キラキラしてた?」
「もう夜空の星よりもキラキラしてたよ。でもさ、俺だって男だし諦められなくて、態度やちょっとした言葉で好きな気持ちを表してたんだけど」
「ごめん……」
全然気づかなかった。
やっぱり26にもなった女が、ドラマがどうとかこうとか言ってちゃいけないんだよね。
でもすぐには気持ちは切り替えられそうにないなぁ。情けないけれど……。
あれ? でもちょっと待って。今までずっと言えなかったのに、どうして今日になって告白する気になったんだろう。
拓海くんから逸らしていた目線を上げて、彼のことを見つめる。
「何、そんな目して。俺の気持ちに応えてくれる気になった?」
「また、そういうことを言う。ねぇ拓海くん、どうして今日、告白してくれたの?」
「そ、それは……」
拓海くんが言うのを躊躇うということは、何かを隠してる証拠だよね。
そしてそのことに龍之介が関わっている。だから拓海くんは言いたくないんだと、そんな気がしてならない。