極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
どうしよう、もしそうだったとしたら……。
俯き呼吸を乱している私の肩に、そっと手が置かれる。
「菜都さん、大丈夫だから落ちついて」
優しく耳に届いた拓海くんの言葉に心が落ち着きを取り戻し、ゆっくりと顔を上げた。
「菜都さんって、本当に堤所長のことを好きになっちゃったんだね」
「な、何よ急にそんなこと……。私は堤所長のことなんて好きじゃ……っ!!」
そう告げる唇を、拓海くんの人差し指が押し止める。
そして、驚きで目を見開いたままの状態の私の顔に、そっと自分の顔を近づけた。
「嘘は良くないな。そんな嘘を言う口、本当はキスで塞ぎたいところだけど……」
そう言って、いつもの元気で可愛い拓海くんとは明らかに違う視線で見つめらる。
その瞳があまりにも綺麗で透き通っていて、心ごと吸い込まれてしまいそうだ。
「そんな目してると、ホントに唇奪っちゃうけど?」
小悪魔なつぶやきに理性が吹っ飛んでしまいそうになるのをグッと抑えると、かろうじて残っていた自分が“ダメ”と首を振った。