極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
「拓海くんっ」
朝礼が終わりそれぞれが自分の持ち場に戻ると、材料倉庫に急ぎ彼を呼び止めた。
「はい、何ですか?」
お客さんの現場に直接納入する部品をピッキングしているのか、こっちを向かずに返事をする拓海くん。その声は、少々怒り気味?
「さっきは、ごめんね」
背中を向けたままの拓海くんに謝るが、しばらく沈黙の時間。何で私が無視されてるの? と少しイライラし始めたその時。はぁ~と溜息をついて立ち上がった拓海くんが、意外な言葉を口にした。
「朝礼中の菜都さんの態度。あれは新所長が原因?」
「えっ?」
ズバリを当ててしまわれて、言葉を無くす。
私って、そんなに分かりやすい人間?
でもでも、だってっ、堤新所長のこと好きになっちゃったんだもん。しょうがないじゃないっ!!
人差し指と人差し指を合わせ一人モジモジしていると、いつの間にか振り返っていた拓海くんが呆れたように息を吐いた。