極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
「なぁ、なんでそっぽ向いてるんだよ。もしかして、怒ってんの?」
「自分の胸に手を当てて、よーく考えてみて下さいっ!!」
「う~ん……。気持ち良くなかったとか?」
「いや、気持ちは良かったですけど……って、なんてこと言わすんですかっ!!」
「そっかぁ、気持ち良かったんだ」
「もう、知らないっ!!」
ふたりに掛かっていたタオルケットをグッと引っ張ると、それを頭からすっぽりと被る。
『もしかして、怒ってんの?』
よくもそんなこと言えたもんだっ。
そりゃね、夕飯も食べてきて、明日からの社員旅行の準備もあと少しだよ。
お互いの気持ちも伝わって、ひとつになれたことも後悔はしてない。
でも、だからってっ!!
ほぼ五年ぶりの私に、片手では足りないほど強要するなんて。
あり得ない……。
明日から社員旅行なんだよ。こんな足腰立たないような状態で、旅行に行かせようなんてっ!!
「龍之介の鬼畜!! もっと手加減してくれてもいいのに……」
「そう言われてもなぁ。菜都が可愛い声出すから、止められなくなってさ」
耳元でそう囁くと、私の身体の下に腕を差し入れて後ろから抱きしめた。
「そんだけ好きってこと。わかるか?」
わかるか、そんなことっ!!
でもそんなこと言われたら、龍之介に恋をしている私は「うん」と頷くしかないじゃない。
やっぱり自分勝手で、意地悪な龍之介。でもそんな彼が好きなんだよね。
龍之介の腕の中で向きを変えられ甘いキスを交わすと、身体が疲れていた私は、そのまま深い眠りに落ちていった。