極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
9 信じたくない現実
「菜都せんぱ~い、おはようございま~す。早いですねぇ~」
相変わらず朝から間延びした声で、手を振りながら未歩ちゃんが近づいてきた。
「何となく早く目が覚めちゃって。これじゃあ、遠足に行く日の小学生と変わらないよねぇ」
アハハ……。なんて、冗談言ってみたりして。
実際に、早く目覚めたのはホント。でもそれは、今日からの社員旅行を心待ちにしてたからじゃなくて、隣に龍之介がいたから。
* * *
昨日の夜、どれだけ私が「もう無理っ!!」って言っても、そんな言葉なんか無視して何回も私を抱いたくせに。
まだ窓の外が薄っすらと明るくなりかけ始めた頃、身体の異変に気づいて目を開けると……。
「えっ、ちょっとっ、何して……」
龍之介が私の身体を弄っている最中で。
「龍之介……ちょっ……待って……」
「待てないな。よく考えたら今日から二日間も、菜都のこと抱けないと思ってさっ」
てさっ!! って、何勝手なこと言いながら、そんなところ触ってるのよっ。
朝からダメッて思ってても、身体が龍之介を欲求しちゃうじゃない。
そして龍之介に弱い私は、身体の火照りを増していき……。
朝から、頂点へと連れていかれてしまったわけで。
* * *