極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
そして膝に置いている私の手に、そっと自分の手を重ねる。
「ねぇ、さっき堤所長と一緒にいたでしょ?」
そう言いながら手の甲を撫でられ慌てて手を引くと、その手をギュッと取られてしまった。
「減るもんじゃないんだから、このままで」
拓海くんの、ワンコみたいな微笑みに私は弱い。
「それは、そうだけど……。サービスエリアで見てたんだ」
「見てたんだ……じゃなくて、見えたのっ。で、何か言われた?」
「う~ん、特に何も」
「はぁ!? なんだよ、それ!! 何か釈明があってもいいんじゃないの? 堤所長って、菜都さんのこと好きじゃないのかなぁ」
「ちょ、ちょっと拓海くんっ。声が大きいよ」
皆に聞こえてないか気になって、少しだけ立ちあがり後ろを見る。
サロン部分以外の席の人は寝てる人が多いし、なにより後部座席の騒がしさで私たちの声は聞こえていないみたいだった。
「いいじゃん、聞こえたって」
「よくないでしょっ!!」
拓海くんの頭を小突き、ストンと席に戻る。
『菜都さんのこと、好きじゃないのかなぁ』か……。どうなんだろう。
昨日“好き”って、言ってくれたんだけどね。
昨日の今日で、もう自信がなくなちゃったよ。