極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~

一人頭の中で、家のDVDが入っている箱を辿っていると、後ろにいた拓海くんが私の身体を横に追いやって、堤新所長の前にズイッと立った。


「堤新所長っ。俺だって、菜都さんと付き合ってると思われるのは心外ですからっ!! 誰が菜都さんみたいな人と……」


「私みたいな人って……」


うぬぬっ!! その言葉どういう意味? 聞き捨てならないわねっ!!


そりゃ、妄想や夢ばっかり見てるし、恋愛ドラマに憧れすぎて無理はしてるけれど、拓海くんにそこまで言われる筋合いはない。


こんな私でも、『お前のことが好きだっ』て言ってくれる人が、きっとどこかにいるんだからっ!!


ジロッと拓海くんを睨むと、彼も怒ったように私のことを睨んでいた。


はぁ!? 何で私が睨まれなきゃいけないのよっ!! 


いつもは従順な子犬みたいに甘えてくる拓海くんが、ホントに今日はどうしちゃったんだろう。


少し不思議に思いながらも睨み続けていると、堤新所長の笑い声が倉庫内に響いた。
< 20 / 278 >

この作品をシェア

pagetop