極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
一人頭の中で、家のDVDが入っている箱を辿っていると、後ろにいた拓海くんが私の身体を横に追いやって、堤新所長の前にズイッと立った。
「堤新所長っ。俺だって、菜都さんと付き合ってると思われるのは心外ですからっ!! 誰が菜都さんみたいな人と……」
「私みたいな人って……」
うぬぬっ!! その言葉どういう意味? 聞き捨てならないわねっ!!
そりゃ、妄想や夢ばっかり見てるし、恋愛ドラマに憧れすぎて無理はしてるけれど、拓海くんにそこまで言われる筋合いはない。
こんな私でも、『お前のことが好きだっ』て言ってくれる人が、きっとどこかにいるんだからっ!!
ジロッと拓海くんを睨むと、彼も怒ったように私のことを睨んでいた。
はぁ!? 何で私が睨まれなきゃいけないのよっ!!
いつもは従順な子犬みたいに甘えてくる拓海くんが、ホントに今日はどうしちゃったんだろう。
少し不思議に思いながらも睨み続けていると、堤新所長の笑い声が倉庫内に響いた。