極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
「龍之介、お腹空いてるんでしょ? 夕食食べに行こうよ」
「確かに腹減ったとは言ったけど、誰が夕食を食べに行くって言った? 菜都、お前を食べるの」
お前を食べるって……。そんな真面目な顔をして、冗談言わないでほしい。
「龍之介、ちょっと落ち着いて。いくらこの部屋にふたりっきりといっても、今は社員旅行の最中だし。長い時間私たちが行方をくらましているのは、どうかと思うんだけど」
「大丈夫。その辺は、清香がうまくやってくれるだろう。あいつ、気が利くし」
……そういうことじゃないし。
なんて考えてる間にも、龍之介は私との距離をジリジリと縮めてきていて。
小さく丸めている身体に触れると、耳元に顔を寄せた。
「もう諦めろよ。それとも菜都はもう、俺に抱かれたくないとか?」
そんな憂いを帯びた声で、囁かないでほしい。
好きな人に抱かれたくないなんて、思うはずないじゃない。
いつだってそばに居てほしい。愛されてるって感じたい。
そう思うのは自然なことで。
往生際悪く裸体を見られないように隠してたけれど、私の身体はもう龍之介に抱かれる準備は整っていた。
恥ずかしいけれど……。
そのことを認めてしまうと、両手で胸を隠し小さく丸めていた身体を起こす。
そして右手を龍之介に向かってゆっくり伸ばすと、彼の左手に指を絡めた。