極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~


翌日から、普段通りの日々が訪れる……予定だった。


と言うより、社員旅行が終わったら自宅に帰れると思っていたのに、解散後龍之介に捕まると引きずられるように連れて行かれ車の中に押し込まれると、そのまま拉致されてしまった。


着いた先は龍之介のマンションで。部屋に連れて行かれるとすぐに、電話に受話器を渡されて。


「今住んでるマンション。すぐに解約しろ」

「はぁ!?」


解約しちゃったら、私住むとこなくなっちゃうんですけど?


受話器を手にしたまま呆然としていると、手を引いて私をソファーに座らせ自分も隣に腰を下ろした。


「すぐに理解しろよ。ほんっとに菜都ってバカなのな」

「バカバカ言わないでよ!! 何を理解しろって言うの? 解約したら私、どこに住めばいいの?」


興奮し過ぎて声が大きくなってしまった私を、龍之介がギュッと抱きしめた。


「ギャアギャアと、うるさいなぁ」


「……んっ」


いきなり唇を塞がれて。甘く何度も啄まれ、チュッと音を立てて離れれば。


「ここで一緒に暮らせばいいだろ」


なんて、身体がとろけちゃうような声で囁くんだもの。


「う、うん……」


素直に返事をしてしまい。そのまま不動産屋に、解約の電話を入れてしまった。


あっ……。ふと我に返り、しまったっ!! と思ったけれど、時すでに遅し。


「よく出来ました。いい子の菜都には、ご褒美をやらないとな」


龍之介に頭をポンポンと撫でられ、身体をゆっくりとソファーに押し倒される私。


ご褒美? 押し倒された身体? この展開って、もしかしてっ!?


私の予感は的中し、身も心も満たされるほどのご褒美をもらってしまったのはお決まりのことで。




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