極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
「美味しそう……」
思わず口からそう零すと、お腹がギュルルッと鳴った。全く、現金なお腹だ。
クスッと笑いながら蓋を閉めようとすると、どこからかスッと伸びてきた手にそれを阻止される。背中に誰かがいるのを感じ顔だけ振り向くと、堤所長の端正な顔のどアップ。
「今日は鯖の塩焼きかぁ。僕、鯖大好物なんですよ」
そう言って後ろから覗き込むように私に体重をかけると、堤所長の身体と私の身体がギュッと密着する。
ドッキーンッ!!!
顔、顔が近すぎますっ!! 堤所長の息を頬に感じ、慌てて顔を正面に戻す。
新幹線のスピードの如く、高鳴っていく鼓動。密着している部分から、じわじわと熱くなっていく身体。
その両方に脚が小刻みに震えだし立っていられなくなると、カウンターに両手をついて身体を支えた。
「そ、そうですか……」
身動きがとれない身体で一言だけ応えると、端正な顔がふっと優しく微笑むのを感じた。