極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
仕方なく、この辺では一番新しくてキレイなお店ってことで、十六夜に白羽の矢を立てた訳だけど……。
なんてっ、重さんには口が裂けても言えないわっ!!
でも今ではこの店に決めて、重さんと知り合えて、本当に良かったと思ってるけど。
「あとで顔見せとく」
「まだ恋愛相談してるの?」
「もちろんっ。重さんはそんじょそこらの女性より、女心が分かるからね」
と言っても、別におネエってわけじゃない。人よりちょっと恋愛経験が豊富なだけだ。
離婚3回、結婚4回。今の奥さんは、4人目の奥さん。
「3回離婚した人に、女心が分かるとは到底思えないけど」
拓海くんが呆れたようにそう言うと、通りかかった店員にビールを注文した。
3回離婚していたって、そんなの私には関係ない。それよりも、4回結婚できている重さんってスゴくないっ!?
「菜都さんも何か頼む?」
「私、ウーロンハイッ!!」
意気揚々と手を上げ注文をすると、誰かが私の肩をトントンと叩いた。