極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
「痛かったですね。すみません」
え? えぇぇぇぇぇ~っ!?
な、な、何なのっ、このシチュエーションっ!!
今の状況を確認したくて、閉じていた目をゆっくり開いていくと……。
「おわぁっ!?」
少し腰をかがめて私の顔を見ている、堤所長の見目麗しいお顔と遭遇っ!! それも近いっ!! 近すぎる~!!
こんな時、どんな顔をすればいいの?
① ニコッと微笑む?
② ちょっと甘えたように、目をとろんとさせる?
③ それとももう一度目を閉じて、唇を少しだけ突き出してみる?
はいはいはーいっ!! ③番!! 恋愛ドラマだったら、絶対に③番でしょっ!!
もう、これっきゃないっ!!
もうっ菜都たら、冴えてる~!!
ひとり大忙しで妄想を繰り広げていると、未歩ちゃんの甘ったるい声がその妄想をストップさせた。
「堤所長~。所長がそんなことするから菜都先輩の顔、ゆでダコちゃんになっちゃってますよぉ~」
そう言って珍しく笑うと、「保存っ」と携帯で写真を撮ってしまった。