極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
のそのそと立ち上がり未歩ちゃんの前の椅子に座ると、弁当の蓋を開けた。
今日のメニューは、スズキの唐揚げに野菜たっぷりのあんがかかったものとスナップエンドウのサラダ。それに、私が大好きなだし巻き卵も入っていた。
わぁんっ、ラッキーッ!! もうこれで、午後からも頑張っちゃうっ!!
なんて、だし巻き卵ひとつで頑張れちゃう私って、なんて可愛いんだろう。
そしてどんなに困ったことがあっても、人間お腹は空くもの。そんな持論を頭の中で論じて箸を持ち手を合わせると、大きな声で「いただきますっ」と言って弁当を食べ始めた。
未歩ちゃんと話をしながら弁当を食べていると、事務所で電話がなった。慌てて小会議室から飛び出すと、「僕が出ます。お弁当食べてて下さい」と堤所長が電話に出てくれた。
スマートに電話対応する堤所長をずっと見ていたい情動に駆られながら、小会議室に戻る。
弁当もそっちのけでデスクに頬杖をつくと、甘い溜息をつく。
やっぱり堤所長はカッコいい。行動の意図が掴みにくくて、私はいつも翻弄されっぱなしだけど、それも恋愛へ発展するためへの序章だと思えばなんてことない。