極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~

住んでいるマンションから電車で2駅の会社までは、自転車で通っている。


恋愛ドラマにハマってしまい、お洒落なデザイナーズマンションを借りてしまった私は、家賃を払うのに手一杯。それ以外のことにあまりお金を使えなかった。


実家も近く、母には『ここから通えばいいのに』なんて言われているけど、それじゃあ彼氏ができた時に一緒に過ごせないじゃないっ!!


なんて、4年も彼氏いないけど。虚しい……。


それでもやっぱり、格好いい生活をしていたい。


自分のランクを下げたくない。


そこだけは譲れなかった。



会社で制服に着替えるから、通勤はいつもラフな格好。Tシャツにパンツが、定番のスタイル。


本社と違って営業所は規則が緩く、どんな格好をして出勤しても誰に咎められることもない。


軽く化粧を済ませると髪を整え、首元と腕、脚に日焼け止めクリームを塗る。朝といっても夏の日差しは強い。念入りに塗りこむ。これ大事!


それが終わるとお気に入りの水玉の模様のリュックを背負い、スニーカーを履いて家を飛び出した。











< 6 / 278 >

この作品をシェア

pagetop