極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
笑っていたはずなのに、目からは涙が溢れていた。
泣くなんてバカみたい───
涙を拭おうとして、その手を止めた。拭う必要ないじゃない。この土砂降りの雨が、全部洗い流してくれる。
涙も、私の情けない気持ちも……。
歩くのを止め立ち止まると、大雨が降る真っ黒な空を見上げた。目が開けていられない程の強さの雨に、そのまま歩道に座り込む。
車から見てる人は、頭のおかしい女がいるって、変な目で見てるんだろうなぁ。こんなバカでおかしい女、誰も相手にしてくれなくて当然だよね。
こんな私、このまま雨に流されて、消えて無くなっちゃえばいいのに───
でもそれは無理なことで……。じゃあ、思いっきり泣こうかな。今なら声を上げて泣いても、誰にも聞こえないよね。
顔を両手で包み込み身体を小さく丸めると、「わあぁぁぁー」と声を上げ思いっきり泣いた。
しばらく泣き続けて気が済むと、すっくと立ち上がる。
泣くのも結構疲れるんだ。泣き腫らした顔で苦笑していると、大通りを走ってきた車が私の横で停車した。