極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
食べ終わったゴミをリュックにしまい立ち上がる。両手を空に向かって高く上げ伸びをすると、少し気持ちが吹っ切れた。
公園の時計を見ると、8時を回っている。
「そろそろ行くかっ」
自転車に跨ると、車の量が多くなった大通りを颯爽と走りだした。
「おはようございまーす」
元気よくあいさつをし事務所の中に入ると、窓を開けてないせいかムワッとした空気が私を襲う。
「所長っ。いるなら窓開けるか、クーラー入れて下さいっ」
入り口正面、一番奥の席で新聞を広げている所長にそう叫ぶと、そろっと顔を出した所長がクイックイッと手招きをした。
朝から何よ……と思いながらも所長に歯向かうこともできず、その支持にしたがってデスクの前に立つ。
「なんでしょう?」
「ねぇ、なっちゃん。僕がこの営業所からいなくなると寂しい?」
「へ?」
想像もしていなかった言葉を言われ、呆然と立ち尽くす。