もんすたー。
プロローグ

「ママっ……
ママ……っ」

少女は森の中で泣いていた


「ママ…どこにいるのっ…」

どうやら迷子のようです。




「だ…れ…?」

人気のない森の中で
少女は少年と出会いました


「……。」

「あなたは……あれ?」

少女は首をかしげる


「あなたなんで
お耳が生えてるの?」

「……。」


「大きなお耳…
おおかみさんみたい…」

「…母親は?」

少年は少女の言葉を無視して
無愛想にそう尋ねた


「ママね…っ
はぐれちゃったの。
探してもいなくて…っ」

泣きやんでいた少女の瞳からは
また涙があふれてきました


「ほら
泣くなよ。」

少年はまた無愛想に手を
差し出してそう言いました

でもその言葉にはどこか
あたたかみがあった。
少女はそう思いました
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