みるきぃ★ファームへようこそ
朝の仕事が終わって、リンダはキッチンに飛びこむと、麦畑の手入れを終えてコーヒーを飲みながら一息ついているミルおじさん、ひしっと縋りつきます。
「ねぇ、ミルおじさん!」
リンダはひょろひょろに縋る様な思いを潤んだ瞳で力いっぱい訴えました。
はっきり言って彼女は追い詰められていました。このままでは本当に犯罪者に成りそうです。
「どうしたんだい、リンダ。お前らしくないな」
その勢いにただならぬものを感じたミルおじさんはへたへたと崩れ落ちたリンダの頭を優しく撫でながらそう訪ねました。
「あたし、あいつと一緒に仕事なんか出来ない」
リンダは更に涙目と言う必殺技を引っ提げてミルおじさんに食い下がります。
「だいたい、あいつ、何処の何者なの?なんでうちの牧場なの?」
「なんだ、リンダ、自己紹介もしてないのかい?初対面の相手には自分から挨拶する物だよ。それが人間関係を上手くやるコツなんだよ」
ごもっともです…
が、リンダにそんな余裕は有りません。昨日からキレまくりだからです。
「だって、昨日はバス停で切れてそれっきりだし、今朝は牛舎で切れてそれっきりだし。この調子だと、きっと夕方の仕事の時にも切れちゃうわ、あたし、あたし、もう、嫌!」
ミルおじさんは膝に縋り泣き崩れるリンダの頭を優しく撫でながら彼女の天敵に成りつつあるひょろひょろについて、滂沱の涙と共に訴えます。