みるきぃ★ファームへようこそ
南はそう言うとモニターに表示された例題をノートにすらすらと解き始めます。それはもう、縦板に水の如く、大学教授が小学校の算数を解くが如くの見事さで的確に問題を解いて行きます。

リンダはその光景を呆気に取られて、ただただ眺めるのみでした。

「いいか、これは、y切片の値が問題で、これを、こう代入して…」

リンダは思いました。そうだよね。地球に住んでるんだから、それなりの成績は要求されて当然だと。

「――いいか、分ったか?」

そう言った南の口調は一段と強くなり眼光が変わった様に感じました。南はリンダにそう言って鉛筆の先で解いた方程式の答えの部分をこつんと叩き彼女の瞳をじっと見詰めました。その時、二人の視線が交錯します。

「え…ええ、あぁ、うんうん分った。分ったわよ…勿論…」

と、強がって見ましたが勿論リンダは分って居ません。そして視線が泳ぐのは分って無い証拠だと言う事を南は理解していて更に突っ込みを入れて来ます。

「じゃぁ、これやって見せろ」

南がノートに例題を書きます。数学の問題の筈なのに、彼が書いた問題はアルファベットと見た事の無い記号だらけです。リンダはそれを見て即答しました。

彼女は笑顔でそう言って誤魔化そうとしたのですが、彼にその手は通じません。パスと同時に後頭部に激しい衝撃。
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